2025年2月より約2か月間、宇都宮市にある、
カトリック松が峰教会様の空調設備改修工事を担当させていただきました。
地元の方にはよく知られている教会ですが、宇都宮市大谷町で採掘される大谷石で造られた聖堂で、国の登録有形文化財にも指定されている歴史のある建物です。
聖堂は古代および中世初期の教会建築様式であるロマネスク様式を取り入れ、1932年に建てられました。
①工事に至った経緯
今回の工事は、教会の信徒の方とのご縁からお話をいただき、現地調査及びお見積りを行ったことがきっかけです。
これまで聖堂には空調設備がなく、特に夏場は室内温度が非常に高くなるため、熱中症など命に係わるリスクが懸念されていました。
また登録有形文化財であることから、景観を極力損なわない設計・施工をご希望されていました。
②ご要望を踏まえた提案内容
現場調査を行い、以下の点を重視したプランをご提案しました。
・冷暖房性能を確保するため、室内機を10台設置
・室内機は目立たないペリメーター用床置き埋込型を採用し、外装に本物の大谷石を使用
※割れ防止のため、全面ではなく部分的に接着
・室外機は道路側からの写真撮影時に景観を損なわないよう、塀に沿って配置
・湿気に弱いパイプオルガンに風が直接当たらないよう室内機を配置
・メンテナンス性を考慮し、大谷石部分は取り外し可能な架台構造
・屋外配管は地中に埋設し、外観から見えないように配慮
・地震対策として、室内機を壁固定ではなく、重量のある鋼材フレームで安定性を確保
・空調機設置に伴い、電気契約の見直しも実施
これらの内容が、予算及びご要望の両方でご納得いただけたため、工事を担当させていただくこととなりました。
③導入後のご感想
工事完了から約8か月が経過したタイミングで、使い心地などについてお話を伺いました。
【空調機設備について】
・冷房・暖房ともによく効き、短時間で快適な室温になる
・電気代の増加を心配していたが、前年同時期と比べても1.5倍未満に収まった
・操作を一元管理できるシステムコントローラーがとても便利
【当社の対応について】
・文化財の景観を損なわないような施工をしてもらえてとてもありがたかった
・工事中も礼拝が通常通り行えるように配慮してもらえた
・併設されている幼稚園の車両の出入りにも気を配ってもらえた
・電気代の比較資料を出してもらい、非常に参考になった
④当社担当者より
空調性能・施工内容ともに大変ご満足いただき、特にミサ中の熱中症リスクを解消できたことについて、神父様からも感謝の言葉をいただきました。
また、歴史ある建物の雰囲気を損なわずに空調設備を導入できた点についても、高く評価していただきました。
工事中及び工事後に何度が現地を訪れましたが、職人一人ひとりの細やかな配慮とこだわりを強く感じました。
このような貴重な建築物の工事に携わる機会は多くありませんが、担当者一同、大きなやりがいを感じながら施工させていただきました。
ミサの日以外は基本的に空調が稼働していませんが、教会は10時~18時まで一般の方も見学が可能です。
ぜひ一度、歴史ある美しい聖堂を訪れてみてください。